電験2種は、確かに難関資格です。「難しすぎる」「本当に必要なのか」と感じるのは自然なことです。勉強してもなかなか成果が出ず、心が折れそうになるお気持ち、痛いほどよくわかります。
この記事は、そんなあなたに向けて書きました。
- なぜ「諦めたい」と感じてしまうのか？ その理由を深く掘り下げ、
- 本当に「諦める」しかないのか？ 諦める前にできることはないか？
- 諦めたとしても、道は閉ざされない 電験2種以外にも活かせる資格や仕事はあるのか？
について、電気技術者である筆者が、電気技術者ではない一般の方にもわかりやすく解説します。
この記事を読めば、あなたがこれからどうすべきか、きっとヒントが見えてくるはずです。
なぜ「電験2種を諦めたい」と思ってしまうのか？
まず、あなたが「電験2種を諦めたい」と感じてしまった理由を考えてみましょう。主な理由として、以下の3つが挙げられます。
勉強時間の確保が難しい
電験2種に合格するには、300～500時間程度の勉強時間が必要と言われています。これは、1日2時間勉強するとしても、半年から1年近くかかる計算です。
仕事や家事に追われる毎日の中で、これだけの勉強時間を確保するのは本当に大変です。特に、電気技術者として働きながら電験2種を目指す方は、日々の業務に加えて、試験勉強の時間を捻出しなければなりません。睡眠時間を削ったり、 プライベートを犠牲にしたり… そのような苦しい状況の中で、体力も精神力もすり減らしてしまうのは当然のことです。
難易度の高さに心が折れる
電験2種は、電気系資格の中でもトップクラスの難易度を誇り、合格率は10～20％程度と言われています。これは、10人が受験しても1～2人しか合格できないという狭き門です。
とくに2次試験は記述式となり、白紙状態から回答を記入する必要があるので、圧倒的に難易度が上がります。この2次試験の壁に跳ね返されるといった人は少なくありません。
参考書を読んでも内容が頭に入ってこない、過去問を解いてもまるで歯が立たない… そんな状況が続くと、 「もしかしたら、自分には無理なのかも…」 と自信を喪失し、心が折れてしまうことがあります。
モチベーションの維持が難しい
電験2種の試験範囲は非常に広く、電気理論、機械、電力、法規と多岐にわたります。長期間にわたる学習となるため、モチベーションを維持し続けるのが難しいと感じる方も少なくありません。
特に、一人で勉強している場合、孤独を感じやすく、モチベーションが低下しがちです。また、試験勉強の成果が目に見える形で現れるまでに時間がかかるため、 「一体何のためにこんなに頑張っているんだろう…」 と目標を見失ってしまうこともあります。
本当に「諦める」しかないのか？ 諦める前に試してほしい３つのこと
「諦めたい」という気持ちは、決してネガティブなものではありません。むしろ、真剣に試験勉強に取り組んだからこそ抱く、 当たり前な感情と言えるでしょう。
しかし、 「諦める」と決断する前に、あとほんのすこし今のやり方を変えてみませんか？ ここからは、諦める前に試してほしい3つのことをご紹介します。
勉強方法を思い切って見直す
もし、 これまでの勉強方法で手応えを感じられていないなら、勉強方法を根本から見直してみましょう。
- 参考書を思い切って変えてみる ： 参考書によって、説明の仕方や構成が大きく異なります。自分に合った参考書を見つけることで、 理解度が格段に深まることがあります。
Tadaの2次試験 おすすめテキスト
わたしは「戦術でおぼえる」で初年度2次試験をともにしましたが、心中しました(笑)昭和の問題をがむしゃらにやってましたが、類題が出ず、歯が立ちませんでした。2年目は「電験王」をメインに、サブ「2次試験標準回答集」で合格できました。最近の過去問が学べるし、素人目に近い感覚で解説してくれているので、わかりやすいです。
※電子書籍もありますが、紙のテキストにしたほうがいいです。自分の気づきを書き込めるし、スマホやpcは集中力をそがれるので。
※標準回答集は電験王でカバーできない平成20年度以降の過去問が掲載されたものが望ましいです。そうすると2010年度版とかになってくるのですが、フリマサイトなどで買うしかありません。
メルカリでたまたま出品されているものを買いました。(絶版でプレミア価格で4000円くらいのものが1万いくらしました(泣))
- 過去問中心の勉強にシフトする ： 基礎知識がある程度身についているなら、過去問を解くことで実践力を磨きましょう。過去問を分析することで、試験の傾向と対策、そして自分の弱点が見えてきます。
- オンライン講座や電気技術スクールを賢く活用する ： 独学での勉強に限界を感じているなら、プロの講師の力を借りるのも一つの選択です。オンライン講座や電気技術スクールでは、わかりやすい解説や効率的な学習を体系的に学ぶことができます。
- 人に教えることを意識した勉強法を取り入れる ： 人に教えることを前提に勉強すると、意外と理解があやふやな部分に気づけるものです。電気技術者の同僚や友人に電気理論を説明したり、電気コミュニティで質問に答えてみたりと、アウトプットを意識した勉強法を試してみてください。
電気コミュニティに参加してみる
一人で抱え込まず、電気コミュニティに積極的に参加してみましょう。
- 電気コミュニティや SNS で情報交換してみる ： 電気コミュニティや SNS では、同じように電験2種を目指す仲間たちと繋がることができます。勉強方法や情報をお互い交換し合ったり、悩みを打ち明けたり、励まし合ったりすることで、モチベーションを高く維持することができます。
- 電気勉強会やセミナーに参加してみる ： 電気勉強会やセミナーには、他の電気技術者や講師陣が集まります。彼らと交流することで、刺激を受け、新たな視点や気づきを得られるはずです。疑問点を積極的にに質問したり、最新の電気技術動向に触れたりすることで、視野が大きく広がるでしょう。
電気のプロフェッショナルに意見を求める
もし、身近に電気のプロフェッショナルがいれば、積極的に相談してみましょう。
- 職場の電気技術の先輩や同僚に相談してみる ： 電気技術の先輩や同僚は、電験試験の先駆者である可能性が高いです。彼らの体験談やアドバイスは、あなたにとってかけがえのないヒントになるはずです。また、悩みや不安を打ち明けることで、モチベーションの維持にも繋がります。
- 電気資格のプロに相談してみる ： 電気資格のプロは、あなたが抱える問題や目標を丁寧にヒアリングし、 適切なアドバイスをしてくれます。効率的な学習プランの設定から、試験対策、キャリアプランまで、幅広い相談に乗ってくれるでしょう。
それでも「諦める」という決断をしたあなたへ 電験2種の勉強は決して無駄にはならない
様々な方法を試した結果、どうしても「諦める」という結論に至ることもあるかもしれません。それは決して 잘못ではない です。人生にはいろいろな選択肢があります。 あなたが下した決断は、あなたにとっての最適解 です。
しかし、どうか忘れないでください。 電験2種の学習で培ったものは、決して無駄にはなりません。
電気に関する基礎知識・スキルは一生の武器になる
電験2種の勉強を通して培われた電気に関する知識やスキルは、電気技術者として活躍する上で、非常に重要な財産となります。
仮に電験2種資格を取得できなくとも、身につけた知識やスキルは、日々の業務はもちろん、電気業界でのキャリアアップに必ずや貢献するでしょう。さらに、電気的基礎スキル、論理的思考力や問題解決能力といった、応用範囲の広いスキルも同時に手に入れることができます。
電気系に関する資格は電験2種だけではない
電験2種以外にも、電気系資格の選択肢は他に存在します。
- 電験3種 ： 電験2種に比べると難易度は穏やかですが、電気設備の保安監督に欠かせない資格です。いきなり電験2種を目指そうとしている方は、まず電験3種から取得し、実務経験を積み重ねて電験2種を目指すというルートも選択可能です。
- エネルギー管理士 ： 工場や事業所などのエネルギー管理に不可欠な資格です。省エネルギーや環境問題に関心のある方におすすめです。
- 電気工事施工管理技士 ： 電気工事の施工管理に重要な資格です。工事現場での電気工事の 施工計画や安全管理に携わりたい方におすすめです。
Q＆A
電験二種がすごいと言われる理由は？
電験2種は、国家資格の中でも特に希少性が高い資格です。そのため、取得者には一定の社会的信用が与えられます。また、この資格が求められる職場は高い責任感と専門知識を必要とするため、やりがいを感じることができる仕事に従事できる点も魅力です。
電験2種はやっぱ難しすぎる？
電験2種（第二種電気主任技術者試験）は、多くの受験者が「難しすぎる」と感じるほどの高難易度を誇ります。この試験の合格率は例年10%前後と低く、受験者には深い知識と実践的なスキルが求められます。特に理論や電力、機械、法規といった幅広い分野をカバーしなければならないため、挫折する人も少なくありません。
電験2種は勝ち組への切符？
それでも、電験2種を取得すれば「勝ち組」と呼ばれるキャリアを築くことが可能です。この資格を持つことで、大手企業や公的機関での就職・昇進が有利になり、高収入を得られるチャンスが広がります。特に電力業界では電験2種保持者は貴重な存在であり、その専門性は高く評価されます。
電験2種は本当にいらない？
「電験2種は難しすぎる」「いらない」と感じる人もいるかもしれません。しかし、この資格がもたらすキャリアの安定性や収入アップ、社会的信用を考えれば、その価値は十分に高いと言えます。努力と時間を投資するだけのリターンが期待できる資格であることは間違いありません。
電験2種を目指すかどうかは、あなたのキャリア目標や人生設計次第です。ただし、この資格が持つ可能性を正しく理解し、自分にとって必要かどうかを冷静に判断することが重要です。
電験2種で人生が変わる？
電験2種を取得することで、人生が劇的に変わるケースも多いです。例えば、これまで年収400万円程度だった人が、資格を取得して管理職に昇進し、年収800万円以上になる例もあります。また、資格を持つことで転職市場での選択肢が増え、安定したキャリアを築ける点も魅力です。
電験2種は天才だけが取れる資格？
電験2種の難易度の高さから、「天才しか取れない資格」と誤解されがちですが、実際には計画的な勉強と努力次第で合格は可能です。特に近年ではオンライン講座や参考書が充実しており、独学でも十分に合格を目指せます。
大学生が電験2種を目指すメリットは？
大学生のうちに電験2種を取得することは、就職活動において大きなアドバンテージとなります。新卒採用で他の候補者と差をつけられるだけでなく、将来的なキャリア形成においても非常に有利です。大学時代は比較的自由な時間が多いため、この期間に計画的に勉強を進めるのが理想です。
まとめ
電験2種は非常に難易度が高く、一部の人には「いらない」と思われることもあります。しかし、この資格が提供するキャリアチャンスや安定性、そして社会的信用を考えると、その価値は計り知れません。大学生や仕事をしながら目指す方にとっても、効率的な学習法や計画的な取り組みで十分に合格は可能です。
資格取得が自分の目標や将来にどう影響を与えるのかを見極め、挑戦する価値があると感じた方は、ぜひ一歩を踏み出してみてください。
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